■ メールマガジン NETINSIDER (2000.01.20) から抜粋
http://www.nextlink.ne.jp/info/ninside/

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ネットワーク業界誌「ネットインサイダー」
             No.040
http://www.nextlink.ne.jp/info/ninside/
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■ 目次 ■

  ◆トップインタビュー
   株式会社サムスル
   代表取締役 渡邊 裕晃 氏(2)

この要求に応えるためには、数千規模のメールマガジン
や、特定の属性にセグメント化されたユーザーを集めるW
EBサイトなど、いわゆる小規模媒体を効果的に駆使する
しか方法がない



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■■ トップインタビュー ■■
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株式会社サムスル
代表取締役 渡邊 裕晃 氏(2)

西暦2000年のオンライン広告費は300億円規模になると予想され、今後も市場
拡大が予想されています。新年第1回めのトップインタビューは、オンライン広告代理店 株式会社サムスルをたずねました。同社は、オンライン広告市場誕生初期からの豊富な経験による媒体の選択眼と、フットワークを武器に成長を続けています。

株式会社サムスル
http://www.samsul.co.jp/

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>> よく読まれている媒体ほど、広告効果が高い

━━━ WEBサイトやメールマガジンなど、規模の異なる多数の媒体を多数扱っておられますが、「力のある媒体」に何か共通点はありますか?

渡邊氏(以下 渡邊):よく読まれている媒体ほど、広告効果が高いということが言えると思うんです。

━━━ そういう媒体をどうやって見つけるんでしょうか。

渡邊:たくさんのWEBやメールマガジン全てを時間をかけて目を通すことはさすがにできません。ごく基本的なことですが、きちんと定期的に更新しているかは見るようにしています。また、広告問い合わせのメールのやりとりなどの際に、返事の迅速さも経験的に重要だと思っています。ネットの情報は、スピードや鮮度が大事です。「定期的に更新してなおかつ対応も早いところは良い媒体であることが多い」という経験則です。

━━━ 具体的にはどういう媒体がその条件を満たしていますか?

渡邊:うーん。例えば「Chance It!」の辻さんはメールの返信が早いですね。


>> サムスルには大手のやらない細かな仕事をこなす力がある

━━━ サムスルが「他社に対してここだけは負けられない」部分はなんでしょうか?

渡邊:インターネットの世界では、「少ない予算で高い効果を得たい」というむずか
しいニーズが存在します。

クライアントのこの要求に応えるためには、数千規模のメールマガジンや、特定の属性にセグメント化されたユーザーを集めるWEBサイトなど、いわゆる小規模媒体を効果的に駆使するしか方法がない。

しかしこれを大手代理店が行おうとしても、まずそもそも幾千も存在するメールマガジンやWEBのどれがいいのかを探すノウハウが不足しているし、あったとしても大手さんは会社そのものの固定費が高いから、扱うと採算割れしてしまいます。

そういうむずかしい要求に応えられる、つまり小回りがきくことがサムスルの強みです。


>> これからは広告費を使って単純に広告を打つだけではいけない

━━━ インターネットの市場は今後どのようになっていくとお考えですか?

渡邊:今後さらに伸びるでしょうが、大事なのは、広告費をどのように使うかということだと思います。インターネット以外の媒体をも含めて、大規模な広告露出をする
ことと同時に、単純に広告を打つ以外に、コンテンツを充実させるとか、ビジネスモデルの独自性を増すといった「インターネットプロモーションマーケティング型」とでもいうような考え方が重要になってくると思います。

━━━ ビジネスモデルの独自性ですか。

渡邊:たとえば、話題性があり、なおかつ競合が少なくなるようなビジネスモデルです。また、サイトの上とサイトの外両方での、徹底した顧客フォロー体制も重要です。

━━━ そういう観点で印象的だったサイトなどはありますか?

渡邊:弊社でプロモーションのお手伝いをさせていただいている「CDoff.com」( http://www.cdoff.com )という12月15日にオープンした中古CD販売のサイトがあるんですが、広告宣伝よりもむしろ、大手サイトとの連携を重視しています。大手サイトや大手企業との提携、これは将来大きくなるであろうサイトや企業も含みますが、これは「インターネットプロモーションマーケティング型」の重要な要素のひとつです。

━━━ サイト内外での顧客フォローというのは具体的にはどういうことでしょうか。

まずサイト上では当然のことですが「サイトの使いやすさ、わかりやすさ、親しみを感じさせる工夫」などでしょうか。そしてサイトの外では、メールマガジンであったり、オンライン上のグリーティングカードであったり、通常のハガキや封書であったり・・・などです。また、ショップ系であれば、サプライチェーンやバックエンドなども重要なものですね。これをマーケティングやプロモーションとどうつなげるかが今後のサイト運営者(経営者)の課題になるでしょう。

「インターネット広告市場」はますますの伸びが予測されています。しかし、広告露出だけではなく、上記にあげたような(1)ネット以外の媒体を含めた露出 (2)大手との連携 (3)ビジネスモデル (4)サイト内外での徹底した顧客フォローの、大きく分けて4つのオンライン広告以外の手法を含めた、総合的な「ネットプロモーションマーケティング型」が重要になるでしょう。

こうした「ネットプロモーション市場」規模の拡大は、「インターネット広告市場」という概念では補足できないものです。この市場は、予測されている「インターネット広告市場」を上回る需要が出てくるものと考えています。

━━━ これからより多数の人がネットに接続するようになってくると思うんですが、それで市場の質はどのように変わってくるでしょうか?

渡邊:ECは伸びてくると思います。接続費が下がることによって、ようやくECの敷居が下がってくるのではないでしょうか。

(つづく)



    渡邉 裕晃 (わたなべ ひろあき)
    株式会社サムスル 代表取締役

    略歴
    1974年 東京都生まれ
    1993年 青山学院大学 国際政治経済学部入学
    1996年 インドネシア MERDEKA大学短期留学
    1997年 青山学院大学 国際政治経済学部卒業
    1997年 上智大学大学院 国際関係論専攻入学
    1997年 ベンチャー企業でアルバイト
    1999年 株式会社サムスル 代表取締役就任    

(取材・文: ネットインサイダー編集部)

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